池田市、五月山南麓に延びる尾根を利用した城郭、池田城。
敷地は城跡の堀の中にあり、お城は目の前、
城壁周りの樹木が身近に迫る。
建築も風景に馴染ませたい。
外部を包み込んだ外壁の杉板は
工業製品にはない自然感を生み出すことで
風景の一部に近づけようとしている。
内部に入ると、床、天井、建具、枠など木材はすべて無塗装。
生きている木は経年変化がある。
木はくらしの中で五感に触れ生活空間を包み込む。
構造体は910の柱割。
窓は外壁の外側に配置した。
窓が奥深くなり出窓の様に室内に広がる。
手に触れる窓は木製の引き込み建具。
木製窓は開閉時の音、手触り、温度、視覚的にも柔らかく、
空間や人に馴染む。
窓の建具構成は格子戸+網戸、ガラス戸、障子。
引き込み窓は建具が収納されて、家具の設置もしやすい。
窓の開け方を調整できて空間の印象や広がりも変えられる。
時間や季節で使い分けも可能だ。
樹木に囲まれ内部も自然素材で包まれ気持ちの良い住まいである。
所在地 : 大阪府池田市
構造 : 木造2階建て
敷地面積: 127.98㎡
延床面積: 86.12㎡
撮影 : 松村芳治氏