敷地は閑静な住宅地にある。
傾斜地にあり敷地周辺は西側の隣地以外は高低差があり
道路側の反対側も高低によるフェンス、ブロック擁壁、
石垣とパッチワークのようで町並みとして近くの眺望は
望めない。
住まい手は夫婦と子供の3人。
夫婦共に仕事を持ち家事など生活全般を分担という考えを
強く持ちその生活スタイルが確立している。
住まい手からは、1km以内の物は窓から見えないこと、
明るいこと、防犯に配慮すること、
必要なものだけで構成し壁などの内部の構成が見えること、どこにいても家族の気配が感じられること、
平日の生活がスムーズであること、という要望があった。
そこで、これらの条件を満たすとともに、
今後予想されるライフスタイルの変化にも対応できるように
部屋といった明確な区切りを設けず
ひとつながりの空間とした。
ほぼ正方形平面の中央からずらして階段を配置し、
階段を支える壁を立ち上げ曲面にした。
階段が衝立となり建具を少なく部屋を間仕切ることが出来、
階段の外側が途切れず回れるので奥行が感じられ室内に
広がりが生まれる。
螺旋階段の衝立は2階の天井から離し、
2階の窓からの光を螺旋階段の壁に反射させて
1階がほんのり明るく照らされた明るさで2階に導いている。
2階に上がると空が見渡せて開放的な気分にさせてくれる。
水周りも、壁によって仕切られた閉じた空間ではなく、
螺旋階段を衝立としてオープンな空間することで
連続性を生み出し
空間全体として視覚的、感覚的な一体感を持たせた。
所在地 : 大阪府箕面市
構造 : 鉄骨2階建て
敷地面積: 64.83㎡
延床面積: 70.15㎡
撮影 : 松村芳治氏