この住宅は京都に建ち近くには金閣寺や竜安寺があり、
歴史を感じさせる建造物や日本建築の障子や襖、庭などは
佇まいのあり方や、不確かで曖昧な連続性を持った空間を
感じさせる。
それらは他者との気配の連続性や間といった感覚が
外部環境や周辺との調和を生み出すきっかけになるように思え
この住いの構成の中核になるようにしている。
門型の色、配置を隣家に合わせ
ガス給湯器やメーター類は門型奥のルーバーの中に置き
街並の連続性をとりことに役立てメンテナンスのしやすさも
両立させている。
建物は道路から距離をとり、
2階から3階まで屋根をつないで2階建の様子で
コンパクトな住宅にした。
その結果、コンパクトなので省エネルギーにも役立ち
スケールが人間的に感じられ街並にも控えめで
外部からの安心感につながっている。
近隣への防火の考慮から鉄骨造とし
北側斜線もあり高さを抑えた。
階段を上がった2F中央では島の様に
水周りのコアを設けている。
その周りを回遊できるようにした結果、
不確かで曖昧な連続性を持った空間になり
部屋の概念が薄く日本建築のような自由度を感じさせる。
建物高さを抑えるために天井あらわしにした
構造体のデッキプレートへの映り込みや
壁仕上げへの映り込みが視線に奥行きを生み実際よりも広く
映り込んだ光は幽玄な雰囲気も感じられる。
また構造が鉄骨なので外壁、屋根共外断熱として熱橋をなくし
環境負荷の低減も図っている。
所在地 : 京都府京都市
構造 : 鉄骨造3階建
敷地面積: 68.69㎡
延床面積: 99.78㎡
撮影 : 松村芳治氏